起業家に学ぶ仕事論:マーク・ザッカーバーグ

こんにちは、てぃーです。

今回は、世界で最も人気のあるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のひとつであるFacebookの創業者マーク・ザッカーバーグ氏を取り上げたいと思います。

Facebookは、2004年にハーバード大学の学生データベースとして始まり、今や全世界で24億5000万人もの月間アクティブユーザー数を誇る、Twitter、Instagramに並ぶ世界最大規模のSNSプラットフォームとなっています。

創業者のマーク・ザッカーバーグ氏は19歳にしてFacebookを起業し、フォーブスが2019年3月に発表した世界長者番付では8位にランクインするなど、若手で最も有力な起業家の1人で呼ばれています。

そんな彼の成功の裏にある、成長の軌跡と苦難の歴史を紹介していきます。


プロフィール

氏名:Mark Elliot Zuckerberg
生年月日:1984年5月14日
出身:アメリカ合衆国ニューヨーク州
https://www.facebook.com/zuck


経歴

  • 2003年11月

    大学2年生のときにFacemashを開設(19歳)

  • 2004年2月

    Facebookを開設(19歳)

  • 2004年6月

    ハーバード大学を中退し、シリコンバレーに拠点を移す(20歳)

  • 2004年9月

    ピーター・ティールから50万ドルの出資を受ける(20歳)

  • 2004年12月

    月間アクティブユーザー数が100万人を突破(20歳)

  • 2006年7月

    Yahooからの10億ドルの買収提案を断る(22歳)

  • 2006年9月

    ニュースフィード機能をリリース(22歳)

  • 2008年3月

    Google幹部のシェリル・サンドバーグをCOOとして迎える(23歳)

  • 2009年2月

    Like(いいね)機能をリリース(24歳)

  • 2012年4月

    Instagramを10億ドルで買収する(27歳)

  • 2012年5月

    IPOにより160億ドルの資金調達に成功する(27歳)

  • 2012年10月

    アクティブユーザー数が10億人を突破(28歳)

  • 2013年11月

    Snapchatに30億ドルの買収提案をするも断られる(29歳)

  • 2014年2月

    WhatsAppを190億ドルで買収(29歳)

  • 2014年3月

    VRスタートアップOculus VRを20億ドルで買収(29歳)

  • 2017年6月

    月間アクティブユーザー数が20億人を突破(33歳)


はじまりは学内の出会い系サイト

Facebookのはじまりは、マークがハーバード大学で2年生のときにリリースした「Facemash」という学内の出会い系アプリでした。Facemashは、同性同士の写真を2枚並べて、どちらがより「Hot」かを投票するというサイトで、学生の間で話題になり、公開して4時間で2万を超えるアクセスがありました。しかし、大学のデータベースをハッキングして得た学生の個人情報を使っていた事が大きな問題となり、倫理規定違反やセキュリティ侵害、著作権侵害などで告発され、大学からは謹慎処分となってしまいました。


盗作の疑いから訴訟へ

Facebookは、類似のWebサイトのソースコードを盗んで制作されたと疑いをかけられ、訴訟を経験しています。訴えたのは、高等教育専門のソーシャルネットワークサイトHarvardConnect.comを運営するCameron Winklevoss、Tyler Winklevoss、Divya Narendraでした。マークは3人の下でプログラマーとして働いており、その際にソースコードやデザイン、ビジネスプランを盗んでFacebookを作り上げたとして訴えられてしまいます。マークはその事実を否定していますが、裁判が長引くことによるマイナスイメージを懸念して、現金とFacebook株合わせて6500万ドルの示談金を支払うことで、長きにわたる紛争に終止符を打ちました。


シリコンバレーでの出会い

ビジネスに集中するため、大学を中退しシリコンバレーに拠点を移したことで、マークは新しい出会いに恵まれることになります。

1人目は、Facebookの初代CEOとなるショーン・パーカーです。ショーンは、一大ブームを巻き起こした音楽ファイルの共有サービス「Napster」の共同創業者で、業界では有名な人物でした。Facebookに興味をもったショーンは、人材獲得や資金調達においてマークに助言を送り、法人化にともなって初代CEOに就任することになります。

2人目は、2004年にFacebookへ50万ドルの出資を行い、Facebook初の大型外部投資家となったピーター・ティールです。ピーターは現在もエンジェル投資家として著名ですが、決済サービス「Paypal」の創業者としてIPOからeBayへの売却を実現した人物として当時からとても有名な人物でした。

シリコンバレーでの新たな出会いを足がかりに、Facebookのビジネスは加速し、2014年12月にはアクティブユーザー数が100万人を突破します。


共同創業者を追放し訴訟に

ショーンやピーターがFacebookの中で発言力を持ち始める一方で、初期の共同創業者のエドゥアルド・サベリンは影響力を失っていきます。マークはFacebookを法人化する際に、サベリンの所有株式を34%から0.4%まで減らし、経営から事実上追放してしまいます。不当な扱いを受けたサベリンは、マークとFacebookを告訴し勝利していますが、遺恨を残す結果となりました。


10億ドルの買収提案を断る

Facebookはリリースからわずか1~2年で名だたる企業から買収の話を持ちかけられます。

Googleをはじめ10社近くの企業がFacebookの買収を検討していた中で、最大規模のオファーは2006年7月のYahooからの10億ドルの買収提案でした。Yahooのオンライン広告プラットフォームがFacebookの収入を増大させ、FacebookユーザーがYahooの広告主にとって魅力的な顧客になるため、双方にとって意味のある買収提案と考えられました。

巨額の買収提案を受けて、Facebook幹部の多くが買収に賛成の意を示す一方で、マークはFacebookにはそれ以上の可能性があると判断し、Yahooからのオファーを断ることを決断します。


SNSのいしずえを築いたFacebook

今ではTwitterやInstagramをはじめ様々なSNSが世の中にありますが、SNSのいしずえを築いたのは間違いなくFacebookでしょう。特に、SNSの象徴的な機能である「ニュースフィード」と「Like(いいね)ボタン」をはじめて搭載したのはFacebookです。

ニュースフィードとは、友達のアップデート情報をログインした最初の画面で見ることが出来る機能です。ニュースフィードが搭載される前は、わざわざ友達のページを見に行かないと、お互いの近況を知ることが出来ませんでした。今では当たり前の機能ですが、2006年9月にFacebookにリリースされてすぐは、プライバシーの侵害だとして多くの反発の声が寄せられていました。

Like(いいね)ボタンは、2009年2月にFacebookに搭載された機能で、友達の投稿や広告に対してポジティブな反応をすることが出来るものです。Like(いいね)ボタンを押された投稿や広告は、友達のニュースフィードに表示され、何人のユーザーのLike(いいね)を集めているかも見ることが出来ます。現在では、Like以外にも「Love(好き)」「Haha(ハハハ)」「Wow(ワオ)」「Sad(かなしい)」「Angry(怒り)」など様々な反応が出来るようになっています。


M&Aによる成長戦略

Facebookは創業より80社以上の企業を買収することで世界規模のSNSプラットフォームに成長しています。ここでは幾つかの象徴的なM&Aを紹介していきます。

1つ目は、写真共有アプリを展開する「Instagram」の買収です。まだ社員13名のスタートアップだったInstagramを買収するために、上場前のFacebook史上最高額となる10億ドル近い金額をつぎ込んだことで話題を集めました。当時のInstagramの成長は目覚ましく、未来の競合を早い段階で取り除く目的があったと推測されます。

2つ目は、メッセージングアプリを展開する「WhatsApp」の買収です。Facebookのメッセージングアプリ「Facebook Messenger」と領域が被っていたため、最大の競合を買収することで勢力を拡大する目的があったと推測されます。買収金額はFacebook史上最高額となる218億ドルでした。

3つ目は、拡張現実のハードウェアメーカー「Oculus VR」の買収です。20億ドルもの金額を投じて成立したこのM&Aに関して、周囲からは懐疑的な意見が多くあがりました。しかし、買収から5年の歳月が経ち、2019年9月ソーシャルVRサービス「Horizon」を発表するなど、少しずつ成功の兆しが見え始めています。

https://www.youtube.com/watch?v=Is8eXZco46Q


最後に

シリコンバレーでは、新たなビジネスを始めては売却し、手に入れた資金を使ってより大きなビジネスに挑戦するシリアルアントレプレナーを多い中で、学生ベンチャーとして創業したFacebookを世界規模のSNSプラットフォームにまで成長させたマーク・ザッカーバーグは非常に珍しい存在だと思いました。

一方で、華やかな話ばかりではなく、周囲からの攻撃や批判は少なからずあるため、事を成すためにはザッカーバーグ氏のような批判を恐れない度胸が必要なんだと感じました。


今回は以上になります。
ここまで読んでくださりありがとうございました。