起業家に学ぶ仕事論:ジェフ・ベゾス~後編~

こんにちは、てぃーです。

前編 に続き今回も、皆さんも日常的に使っているAmazonのCEOジェフ・ベゾス氏について取り上げたいと思います。

後編となる今回は、Amazonが動画配信、クラウド事業、電子書籍、スマートスピーカーなど様々な事業を展開して帝国を築き上げるまでのエピソードについて紹介し、その成功の根底にある彼の仕事に対する考え方についてお届けしたいと思います。


Amazonプライムを開始(2005年)

今やPrime Video、Prime MusicなどAmazonが提供する多くのサービスを享受できるプライム会員ですが、サービス開始当初は、79ドル / 年支払って会員になることで毎回の配送にかかる日数を2日間に短縮する特典を提供していました。

2020年現在、世界中に1億5千万人を超えるプライム会員がいると報道されていますが、具体的には以下のサービスを享受することができます。

Prime Video:動画ストリーミング(2011年)
Prime Music:音楽ストリーミング(2014年)
Prime Pantry:食料、日用品の配送(2014年)
Prime Now:短時間配送サービス(2014年)
Prime Day:プライム会員限定セール(2015年)
Prime Reading:書籍ストリーミング(2016年)


Amazon Web Services(AWS)を提供開始(2006年)

2019年度の業績を見ると、AWS事業は売上金額でいうとAmazon.com全体の約1割しか占めていないが、営業利益にすると全体の6割を超える貢献をしていることが読み取れます。

AWSは、Amazon社内でEC事業を拡大するうえで、サーバーやデータベース等のインフラのメンテナンスを容易に出来るように整えたものを、2006年に社外向けに事業化したサービスと言われています。

あのMicrosoftが競合のMicrosoft Azureをサービス開始した2008年よりも2年も早くビジネスとして始めていることには驚きです。


電子書籍リーダーKindleを発売(2007年)

Kindleには誕生秘話があり、実は日本企業ソニーの製品であるLibrieという電子書籍リーダーがそのモデルになっています。

E-ink(電子ペーパー)技術で紙のように読みやすい画面に本のページが表示された端末を手にしたベゾスはすぐに電子書籍のプロジェクトチームを結成し、3年かけて書籍の電子化、端末の開発を行い、2007年に商品化するに至りました。

開発にあたりプロジェクトチームは、ワンクリックで書籍を購入でき、すぐにダウンロードして読み始められることにこだわりました。そのために、携帯電話向けの3G回線を無料で利用できるように標準装備することまでしました。


スピーカ型音声アシスタントAmazon Echoを発売(2014年)

Echoのコンセプトは、人の声に反応して音声で応答する端末で、ニュースを読む、音楽をかける、家電を操作する、天気予報を伝える、Amazonで商品を注文するといったことを何でもやってくれるアシスタントです。

Echoには音声アシスタントAlexaが搭載されていますが、ベゾスは応答スピードを極限まで追求し1.5秒以下での応答を実現したうえに、高音質を求めた結果、現在のアメリカのワイヤレススピーカ市場で25%ものシェアを獲得しています。

Echoは発売当初、初期の販売目標数を発売から数分で達成し、初代iPhoneが70日要した100万台突破の大台を2週間未満で達成するなど大成功をおさめました。


民間宇宙企業 Blue Originについて

Blue Originは、2000年にベゾスが設立した民間宇宙企業である。前回取り上げたイーロン・マスク氏がSpace Xを設立したのが2002年なので、ベゾスはその2年も早く宇宙開発に乗り出していたのです。

ベゾスが宇宙開発を進める理由は、いつか人類のエネルギー需要の増大に供給が追いつかなることへの懸念であり、O’Neill coloniesと呼ぶ巨大な宇宙ステーションへの移住計画も発表しています。

その中で、これからの宇宙開発の進展のためには、まず再利用可能なロケットを開発して打ち上げにかかるコストを抑える必要があることを訴えています。


仕事観

以下のインタビュー動画を観ていただくとベゾスの仕事に対する考え方を垣間見ることができます。

Customer Obsession

常に顧客のニーズが起点であることが大事であって、競合に囚われてしまってはいけない、Competitor Obsessionであってはいけないと語っています。

Pioneering Strategy

長期にわたるリスキーな取り組みであってもイニシアティブを取っていくことが大事だと語っています。

Operational Excellence

欠陥を見つけ、原因を修正し続けることが良いビジネスの鍵になると語っています。


最後に

こちらのインタビューの中でベゾスが創業当時のことを回想して、
インターネット、郵便、物流、決済システムなどインフラが整備されている状態だったからオンライン書店のサービスを始めることが出来たように、宇宙開発もインフラを整備すればきっと未来の実業家達が新しいビジネスを生み出していってくれるはずだ、
と語るシーンがあり、純粋に感動しました。

前回のイーロン・マスク氏も同様でしたが、素晴らしい実業家は自分達が生きる時代のことだけではなく、未来を子孫に託す想いで仕事をしているんだということを改めて感じさせられました。

こちらの本も読んでみてください。


今回は以上になります。

ここまで読んでいただきありがとうございました!