こんにちは、てぃーです。
前編 に続いて今回も、全裸監督をはじめ日本でもブームになりつつあるNetflixのCEOリード・ヘイスティングス氏について取り上げたいと思います。
後編となる今回は、Netflixが競合各社との競争を乗り越え、動画ストリーミングサービスやオリジナル作品などのイノベーションを起こし、世界中にユーザーを抱える一大企業に成長するまでのエピソードと、その成功の根底にある企業文化を紹介します。
目次
追い風が吹き始める
2001年は幾つかのイベントが重なり、Netflixのビジネスにとって大きな転換点になります。
ひとつは、DVDプレーヤーの価格が下がり一般家庭に普及し始めたことです。Netflixはヒューレットパッカードやパイオニア、東芝、ソニーなどの大手メーカーと提携し、DVDプレーヤーの購入者に無料レンタルの特典を付与するキャンペーンを実施し、会員数を増やすことに成功しています。
さらに、ニューヨークで同時多発テロが起こったことで、外出を避け自宅で過ごす人が増えたことも重なり、月間の会員登録者数を2倍まで増加することに成功しています。
競合各社との激しい競争が開始
2004年Blockbusterが定額のDVDレンタルサービスを開始したのを皮切りに、流通大手Wal-Martもこの競争に参入し、三つ巴の顧客獲得競争が開始します。
Netflixが月額19.95ドルで11,500タイトルからレンタルが可能だったのに対抗して、Wal-Martはそれより1ドル以上安い月額18.86ドルでNetflixより豊富な12,000タイトルからレンタルが可能なサービスの提供を開始しました。
この価格競争の中で急速に会員を失ったNetflixが月額17.99ドルまで会費を下げると、今度はBlockbusterも月額17.49ドルまで下げて対抗するなど激しい攻防戦が繰り広げられました。
しかし、Netflixは競争が始まる2004年時点で100万人を超える会員数を獲得していたため、競合各社はその差を縮めることが出来ず、2005年にはBlockbuster、Wal MartともにDVDレンタルサービスの事業から撤退することになりました。
ストリーミングサービスを開始
2007年1月ついに現在のNetflixの原型となるストリーミングサービス『Watch Now』の提供を開始します。サービス開始当初は、85,000あるタイトルのうち5,000タイトルしか配信していなかったため、DVDが1日160万枚扱われていたのに対して、オンラインではたった40,000程度しか視聴されておりませんでした。
しかし、大手メーカーと提携し、Xbox 360、PS3、Nitendo Wii、iPhone、iPad、インターネットテレビなどのデバイスによるストリーミング配信にも対応することで、会員数を順調に増やすことに成功しました。
2010年にカナダでのサービス提供を皮切りにアメリカ国外への進出を拡大し、その契約者数は2014年に5千万人を突破し、2017年に1億人を超え、2019年末には1億6千万人にも及ぶほどの急激な勢いで契約者数を増大させることに成功しています。
オリジナル作品の製作を開始
2013年Netflixは初のオリジナル作品『House of Cards』をリリースし、ネット配信で初公開されたドラマシリーズとして、史上初のプライムタイム・エミー賞を受賞します。
その後も、『BoJack Horseman』『Stranger Things』『Orange is the New Black』といったヒット作品を生み出し続け、2020年4月現在Netflixオリジナル作品は約1,500タイトルにも及んでいます。
Netflixのカルチャー
Netflixの企業文化、従業員の行動規範を定めたCluture Deckは、FacebookのCOOシェリル・サンドバーグに「シリコンバレーから生まれた最高の文書の一つ」と絶賛され、Slideshare.netで300万回以上も閲覧されるなど多くの経営者、人事担当者の模範とされている。
Netflixは以下の点において特有であると記載があり、自分達をドリームチームであると表現しています。
encourage independent decision-making by employees
https://jobs.netflix.com/culture
(従業員による独立した意思決定を推奨している)
share information openly, broadly, and deliberately
(率直に、広範囲に、かつ慎重に情報を共有する)
are extraordinarily candid with each other
(お互いが並外れて公平である)
keep only our highly effective people
(非常に効果的な人員のみを雇用している)
avoid rules
(規則を避ける)
最後に
前回取り上げたジェフ・ベゾス、前々回取り上げたイーロン・マスクと比較すると、リード・ヘイスティングスは幾多の試練を乗り越え、やっとここまで辿り着いた苦労人という印象を持ちました。それがゆえに、企業文化や従業員の行動規範がいかに経営において大事であるか、を身に染みて体感しCulture Deckが出来上がったのだと思いました。
私が勤めている会社にも行動規範があるので、改めて読んでみたいと思います。
こちらも読んでみてください。
今回は以上になります。
ここまで読んでくださりありがとうございました。